まりちゃん1

[復刻]復活まりちゃん

東京で生まれ、東京の室内で暮らしてきた桂子の愛犬“まりちゃん”。

2000年に桂子が東京から大分に移転するとき
まりちゃんは旅の途中で死ぬかもしれないと覚悟していました。

愛玩動物として不自然な品種改良がなされてきたポメラニアン特有の病にまりちゃんも冒されていました。心臓病と気管虚脱による咳です。

いつ死んでもおかしくない状態だったまりちゃんですが
奥豊後の田舎暮らしで奇跡的に元気になった・・・

私たちの自然療法の原点に、“まりちゃん復活”の体験があります。
以下その記録を復刻します。

2000/11/22
東京から来た“まりちゃん”

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桂子の愛犬 まりちゃん
生まれたとき毬(まり)のように小さくて
丸かったので「まりこ」と名づけたという
年齢は10歳 ポメラニアンのメス 

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心臓の具合が悪く もう手の施しようがない
心臓が肥大化し気管が圧迫されて息が苦しい

生まれたときからずっと暮らしてきた東京を離れたけれど
東京でお世話になってきた世田谷区・恵仁動物病院の
先生と連絡をとって今も多量の薬を飲んでいる

まりちゃんは室内だけで生きてきた犬だった
ここに来て初めて土の上を歩き
初めて土の上でおしっこし土の上でうんこした
この生の終わりの時期になって
急にワイルドな環境に生きることになったわけです

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まりちゃんは吠えない
誰が来ても尻尾をふって 愛嬌いっぱい
田舎に来て自分より5倍10倍大きい犬に出会っても
尻尾をふって突進していった
人間だったら いきなり自分より5倍10倍大きい相手に
出会ったら絶対イヤだと思います
いきなり愛情表現しながら突進したりできるわけない・・・

先月後半 滋賀県愛東町「茗荷村」に行くとき
まりちゃんも連れて行った
そこで放し飼いにされていたメスの猟犬にも
まりちゃんはじゃれついていって
猟犬に乱暴されたのか 右眼球が飛びでてしまった

私はそれを見なかったけど 
たいへんショッキングな姿だったらしい
すぐ滋賀県八日市市の西川動物病院へ直行し 
的確な手術を受けたので眼球摘出だけは免れたが右目は失明
それにしても西川先生も動物が大好きな心優しいひとでした
世田谷の恵仁動物病院の先生も思いやりの深い先生だそうです
犬が大好きなひとたちによって
まりちゃんはサポートされてきた・・・

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まりちゃんの写真の右目(むかって左の目)が
少しかたよって色が変色しているのは 
茗荷村での事件のせいです
心臓にとって大きなダメージだったんでしょう
いっそう症状は悪化し特に夜になると呼吸が苦しくなります

人間ならショックで立ち直れないところだと思います
そうでなくても呼吸困難が続いて苦しいのに
眼球が飛び出て失明してしまうなんて・・・
でも まりちゃんは今でも ときどき尻尾をふったり
小さな舌で手をペロペロなめてくれたりもする
それに美味しそうな食べ物を見ると
目が釘づけになって病気で苦しいことも忘れてしまう
一瞬一瞬を生きている
過去にすんだことを気に病まず
すぐ未来に迫っている死を怖れず
今この瞬間をけなげに生きている・・・

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↑まりちゃん 1歳ころの写真
家具の下にもぐるのが好きだったらしい

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↑去年のお嬢様風写真

2000/12/13
まりちゃんの田舎暮らし

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まりちゃんは最近かなり元気をとりもどして
しっぽをあげて歩くようになりました
前回まりちゃんのことを掲載したころが一番ひどかった
毎晩、喘息みたいな呼吸困難の発作がおき
桂子が撫でたりレイキ(手あて療法)したときだけ
おさまるという毎晩でした
当然、桂子も睡眠不足で体調がすぐれなかった

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前回も書いたけれど、まりちゃんは東京のお嬢様犬だったんです
それが今ではホテイアオイを浮かべた鉢の
雨水を好んで飲むようになった
ちゃんと水は与えてるんですが雨水が気に入ったのかな?

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水飲んだら、当然おしっこがしたくなる
まりちゃんは土のうえでおしっこするのが好きなようです

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私たちはよく庭で朝食をとるんですが(今年は暖かいから)
すると、いつもこんな視線で食べ物をねだるんです
まりちゃんの心臓がもう治るわけではないので
欲しがるとき欲しがるものを与えています

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まりちゃんは、もともと野菜好きだったらしい
ここに来てサトイモの煮たものやサツマイモをふかしたものも
食べることになった。これは庭のコマツナ

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この春ここで花が咲き、こぼれた種でかってに生えたコマツナ 
これを摘んでニワトリと、まりちゃんに与えています

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薪ストーブのうえにサツマイモを置くとトロトロになるんですが
まりちゃんも好物です。毎日やると飽きるようですが

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食事をしたら、当然うんこがでる
まりちゃんは土のうえで、うんこするのが好きみたいですが
たぶん、どの犬もそうでしょう
私もそうしたいんですが
今のところは思いとどまっています

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ペット用トイレシーツを家のなかに敷いてるけれど
やっぱり土のうえでうんこやおしっこするほうが
気持ちいいにきまっている
したい場所を見つけてできますから

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まりちゃんは缶詰を食べなくなった
今のまりちゃんはダイコン、ニンジン、ハクサイ、ミカンの汁
柿の皮、玄米ごはん、玄米パン、カボチャ等を
食べています。今夜なんかゴボウまで食べた
肉類は缶詰でないものを少しやっています
それと東京の獣医の先生から送っていただいている薬は
欠かさず与えています。欠かすとやはり少し苦しくなるようです
年を越せるかな?という状態だった、まりちゃんですが
おかげさまで一緒に21世紀を迎えられそうです

2001/12/23
復活まりちゃん2001

21世紀を一緒に迎えられるだけでも幸運と思っていたのに
小さな体に秘められた、まりちゃんの生命力には驚かされます

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2001/03/04

↑別府~大阪南港間を航行する関西汽船
2月下旬から3月初旬にかけて私たちは関西に滞在しました
まりちゃんは騒音の激しい甲板に設置された檻のなかに入れられたけど
吠えたり騒いだりするわけでもなく、おとなしく状況を受け入れ
旅行のダメージはなかった

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2001/03/04

↑帰りの車のなかのまりちゃん
むしろ、まりちゃんは旅行すると気持ちがしゃんとするらしい
旅行の間は呼吸が苦しくなったりもしない

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2001/10/08

6月にネコのミロクとアミダがうちにやって来ました
どうしても、ちっちゃな子猫のケアのほうに気が向かい
愛情ひとりじめだった状況が変わってしまいました
夏に桂子が新潟出張に行ったときには
夜ごと激しい呼吸困難におちいり
安楽死させてやりたいと思ったほどでした

ネコたちと同じスペースにいることが嫌なのか
別の部屋にひとりで寝たきりの時間が多くなり
空腹のときだけ起きてくるというような生活になっていきました

あれは夏のおわりだったかな
まりちゃんの呼吸が異常に激しくなり
それが1時間くらい続き、そのあと昏睡状態になりました
もうどうしようもありません
覚悟していた桂子も、そのときがくるとやっぱり泣いていた
私は庭に墓を掘ってすぐに埋葬してやらなくてはと考えていました

夕方になって、桂子がシーチキンの缶詰(自分たちの夕飯用)の
フタをパカッと開けた、何とその“パカッ”の音で
昏睡状態のまりちゃんは突然目覚め
何事もなかったように尻尾を振って食べ物をねだったんです

“パカッ”の一音で
身体から離れかけていた、まりちゃんが再び地上に戻ってきました
そういえば、まりちゃんは体は衰えても食欲だけはありました
もう先がないと思ったので
東京にいたころから桂子が美味しいものを食べさせ
それが癖になって、美味しいものばかりをねだるようになっていました

きっと、まりちゃんは美味しいものをもっと食べたいために
地上に戻ってきたんでしょう・・・?

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2001/10/08

夏の暑さで弱ったときに毛を刈ってやったんですが
10月になってもポメラニアンには見えない感じ
高齢なので毛も伸びてきにくいのでしょう
このころのまりちゃんを見て
ネコですか?と聞いたひとがあった

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2001/10/08

まりちゃんは、とにかく吠えない犬だった
桂子が記憶するだけでも3回ほどだったという
それがネコがうちに来てからは・・・

とくにミロク(左)がまりちゃんと関わろうと思って
スリスリしたり、抱きついたりするんですが
まりちゃんは嫌でたまらないらしく
体の力を振り絞って大きな声をあげるようになりました

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2001/10/08

まりちゃんは口がおごって
ありきたりの食べ物だと「フンッ」といって食べない
本当に鼻で「フンッ」という音をたてるんです
そんなときでもネコたちが近づいてくると急にガツガツ食べる
ネコたちに取られるくらいなら私が食べるっ、ということです
まあ、まりちゃんが安らかに逝くためには
満足いくまで食べていただくしかなさそう

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2001/10/08

美味しそうな食べ物を見つめるまりちゃんの真剣な表情

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2001/11/07

11月7日~12日、私たちは東京に滞在しました
友達に預かってもらうことも考えたんですが
もし、その間に呼吸困難等の発作がおきて死ぬようなことがあったら・・・
それよりはもし旅の途中で死んでも
11年間ともに生活してきた桂子と共にあった方がいいと考えて
思い切って飛行機にのせることにしました

ショック療法というのかな・・・
意外にもまりちゃんはこういう無理な旅行をするたびに
シャキッとしてよみがえるんです

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2001/11/12

東京滞在中のまりちゃん
呼吸困難の発作がおきることなく元気に過ごしました

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2001/11/20

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2001/11/20

東京に行ったことで、まりちゃんはその直前の状態より元気になった
庭に出してやるとトコトコ歩いて
思いがけない遠いところまで散歩します

まりちゃん、またまた復活!

薬なんですが、実は東京から帰ってからは
ずっと飲ませていません
調子がよくて必要なくなってしまったんです

まりちゃんは、この生の再晩年になって急に波乱の生涯
東京から大分・奥豊後にやって来て
去年は滋賀県・茗荷村、今年は関西そして東京に旅し
ネコ4匹と一緒に暮らすことになってしまった

いつ死んでもおかしくないと思われた、まりちゃんですが
緑豊かな奥豊後の大地のうえで大健闘しています

2003/03/01
マリちゃんの生命力

去年の10月くらいからまた心臓肥大による気管圧迫が再発して
激しく咳き込んで苦しむことが多くなり、急にまた薬を飲ませたりしましたが
薬も効かなくなり、とうとう駄目かなと思っていたら
最近暖かくなって、なぜかまた咳が少なくなり薬もやめています

咳き込むと僕たちが優しくなり、おいしいものを食べさせてきたので
味をしめたまりちゃんは、僕たちが食事するとき
ちょうだい、ちょうだいという表現でわざと咳き込むようになりました
自分で苦しい声をだして、食べ物を要求するわけです
そうして苦しい声をだしているうちに興奮し過ぎて
心臓と気管支を圧迫し、ついには本当に苦しくなってくることがしばしばです

そんなまりちゃんですが、もう長くないとお医者さんに言われてから
すでに3年近くなろうとしています
そのかん何度も死にかけたけれど、そのたびに復活し、今年は13歳になります
ポメラニアンで13歳は長寿だと思います

前にも書きましたが、まりちゃんの右目(向かって左の目)は失明しています
左目も白内障、素人でも白内障と判断できる目です
歯はほとんど抜け落ち、毛並みもよくない
ほとんどボロボロの状態だと思うんですが
まりちゃんは気に病んでいるふうがない

美味しい食べ物にありつけたときなんか、子供みたいにルンルンしている
ネコが食べ物に近づいてきたら、大きな声でワンッといって威嚇します
このごろは豆腐なんか食べ飽きて、「もっとおいしいものをちょうだい」
というような顔をしますが、ネコが近づいてくると豆腐でもガツガツ食べます

この生の終わりになって急に7匹のネコと同居するハメになって
まりちゃんもいろいろたいへんでしょうが異種生命体との共同生活が
彼女に活力を与えている面があるように見受けられます

ネコたちのほうも、まりちゃんを引っかいたりしたことはありません
家族の一員だとは思っているみたいです
ネコを飼っているかたはご存知だと思いますが
ネコは鼻を近づけあってあいさつします
ここのネコたちは、まりちゃんにもそうしてあいさつするんですが
まりちゃんは、そのあいさつにも怒ってワンッといいます
子供のときからネコと一緒に生活していたら
まりちゃんもネコとのつきあいかたをおぼえていたんでしょうが・・・

それでも、今日はこんな写真(下)が撮れました(香山茂樹)

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病気と老齢のせいもあって毛のツヤはなくなってきていますが
食欲は目覚める一方のマリちゃんです
東京時代はどんなご馳走にもあまり飛びつかなかったのですが
たくさんのライバルの出現とともにマリちゃんの野生がよみがえってきました
同じスペースで7匹の猫ちゃんと奮闘の毎日を過ごしていますが
今日は生後7ヶ月になるミカちゃんの急接近を許し
不思議と一緒にくつろいでいました
このままみんなと仲良くなるのかどうかはわかりませんが
生の末期になって確実にマリちゃんは何かを学びつつあるようです

安定性・安全性を確保するために新しいことにチャレンジしない
そういうのが賢いと思っている人が多いようですが
マリちゃんの日々の純粋な行動は、そういう意味では賢くありません
けれどもたくさんのことを教えてくれるマリちゃんです(桂子)

2003/05/15
まりちゃん旅立つ

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2003/05/15 雨の中、庭に穴を掘って亡骸を入れる

5月15日午前3時5分
マリちゃんが13年間住んだ肉体を静かに離れました
皆さんに愛されてとても幸せな地球の旅を終えました

東京での生活でもう余命わずかと言われてから
ここ奥豊後にやって来て心臓肥大のための発作を受け入れながら
2年7ヶ月を過ごしました

自然の中でゆったり過ごした楽しい思い出を胸に
ほぼ満月という日に跳ねながら光に帰っていったことと思います

私の旅のお供をありがとう
また、どこかで逢おうね

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2003/05/15 マリちゃんを埋めた岩

小雨の降る早朝、エンジェルファームの前庭の岩のあたりにマリちゃんの肉体を返しました

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2003/03/15

今年3月、暖かくなってきた庭先でお散歩を楽しむマリちゃん
若いネコたちに負けない食欲が生きる意欲になっていた

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2003/03/15

草の上でくつろぐマリちゃん
一晩中発作で眠れなかった朝でも
よくこの様にして大地のエネルギーを感じて
自分を癒していました

桂子 2003/05/15

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2003/04/28

これが生前のマリちゃんを撮った最後の写真となりました
コタツ布団のうえでくつろぐマリちゃんの側に寄るネコのマル
マリちゃんにとって7匹のネコは強力なライバルではあったけれど
ときどきは愛情を感じているように見えました
                           
マリちゃんがいなくなってみると・・・
家のなかがたいへん静かになりました
7匹もネコがいるのに、やけに静かな感じがします
マリちゃんが騒々しかったということです

体じゅうボロボロだったのに、懸命に生きてきたマリちゃん
食べ物が欲しくて、ととととっと走り寄ってきて
ハアハアいいながら熱いまなざしを向けていたマリちゃん
どんなおいしいものも一瞬にして食べ終わり
もっとちょうだい、もっとちょうだいとねだり続けたマリちゃん

そんなマリちゃんがもっと興奮したのは
桂子が帰宅した時でした
ほんの数時間家をあけただけで
帰宅すると、マリちゃんは子供みたいにピョンピョン小躍りして
精一杯喜びを表現し、そのせいで呼吸困難になりそうなほどでした
あれほどの感情表現をするネコやウサギはいないでしょう
人間だって・・・ただいま、と帰ってきて
マリちゃんみたいに小躍りして迎えてくれる家族はないでしょう

老犬マリちゃんは、いつも無邪気な子供のようでした
重病と右目失明(左目も白内障)、歯もボロボロ、皮膚もガサガサ・・・
それなのにマリちゃんは気に病まない
誰かを恨んだり、嘆いたり、未来を心配したりしなかった
気に病んでいたら、とっくに死んでいたと思います

マリちゃんは最後まで気に病むことなく
静かに肉体を離れていきました
マリちゃんの死、その解放を讃えてやりたいと思います

香山茂樹 2003/05/17

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